身体のゆがみ

次のような状態が、理想的な骨格とされています。

●背骨

・頚椎、腰椎部分が前側にカーブしており、全体的にS字状になっている
・前方から見ると、まっすぐになっている

●骨盤

・横から見た際に、地面と垂直になっている
・前方から見ると、左右の高さが揃っている

●ゴールデンライン

自然に立った際、外くるぶし〜膝〜股関節〜肩〜耳の穴のラインが一直線上に並ぶ姿勢が理想といわれています。

正しい姿勢から大きくかけ離れている場合、身体がゆがんでいる可能性があります。

・背骨の湾曲がなくなり、C字状になっている
・前から見ると、背骨が左右に傾いている
・骨盤が前方や後方に傾き、ねじれもある
・ゴールデンラインの崩れ（肩よりも耳の穴が前に出ている猫背、反り腰など）

ただし、利き腕や利き足があるため、どなたも多少のゆがみはあります。

「筋肉の硬さ」「筋力低下」があると、骨盤や背骨を支えられなくなるため、身体がゆがみやすくなります。

●柔軟性の低下

身体が固まる要因には、次のようなものが挙げられます。

・不良姿勢：猫背、偏った作業姿勢、足を組むクセ
・先天性：側弯症
・ストレス：ストレスがたまったり、メンタルが落ち込んだりすると、姿勢が悪くなりやすい

●筋力低下

筋力低下を招く要因には、次のようなものが挙げられます。

・運動不足
・加齢
・ケガによる固定
・産後

●慢性的な身体の痛み

首・肩・腰のコリや痛みに加え、むくみ、冷え、便秘、頭痛などの慢性的な症状がある場合は、身体のゆがみが原因である可能性があります。
骨格がゆがむと内臓や血管が圧迫されます。
血流が滞り血行が悪くなると全身へ栄養が行き渡らず、老廃物が蓄積されるという悪循環がおこるため、さまざまな症状が現れてきます。

●筋力低下と筋の過緊張

身体がゆがんでいると、身体の中で緊張が強まる箇所と、過度に緩む箇所が出るといわれています。
たとえば、猫背の場合は、背筋の緩み、胸筋の硬さなど過緊張部分で痛みが生じることもあります。

また筋肉によって骨を支えていますが、筋力が低下したり筋力のバランスが崩れてしまうと、骨が傾いて身体がゆがむ原因となってしまいます。

●自律神経の乱れ

身体のゆがみによって肺が圧迫され、呼吸機能が低下すると、肉体的にも精神的にも緊張が強まりやすくなります。
また、内臓の圧迫も加わることで、自律神経の乱れに繋がる場合があります。

自律神経は全身の器官をコントロールしているため、影響は幅広いとされています。
イライラや不安感、不眠、頭痛、倦怠感、下痢、便秘などの症状を起こす可能性があります。

●急性の痛み

傾いた身体を支えるために、背部や首肩の筋肉が緊張しやすくなります。
身体の緊張から、寝違えやぎっくり腰といった急性の痛みを引き起こす要因ともなります。

●脊柱の疾患

身体のゆがみから脊柱に負担がかかると、ヘルニアや脊柱菅狭窄症、ストレートネックなどに繋がりやすくなります。

●ストレッチ

身体の土台となる、骨盤や肩甲骨周辺をストレッチでやわらかくしましょう。

・胸を開くストレッチ（猫背の改善）

背中側で指を組み、ゆっくり両腕をうしろに引いていきましょう。
頭を後方に傾け、息を吐きながら腕を引いていくと、首の前側部分もストレッチできます。

・股関節、体幹のストレッチ

相撲取りの四股ふみのような姿勢をとります。（大きく股を開いて、膝に手を当てる）
右手で右足を外側に押すようにしながら、体幹を左にひねります。

反対側も同じ要領で行い、股関節から背部の筋肉をストレッチしましょう。

●ストレス発散

ストレスや緊張があると、防御反応として背中が丸まりやすくなります。
次のような工夫をして、ストレスを発散する時間を作りましょう。

・趣味を楽しむ（旅行、映画鑑賞、スポーツなど）
・湯船にゆっくりと浸かる
・散歩をする
・自然に触れる

●瞑想

ストレスの解消には、瞑想によるメンタルトレーニングもおすすめです。

①楽な姿勢で座る（イスでも床でも可）
②目をつむり、目線は軽く下を向く
③鼻からゆっくりと息を吸う（3秒間目安、お腹を膨らませるイメージ）
④口からゆっくりと息を吐く（5秒間目安、お腹の空気を吐き切るイメージ）

呼吸にのみ意識を向け、10分間を目安に呼吸を繰り返しましょう。

●適度な運動

ウォーキングによって、全身の筋肉を動かしましょう。

・股関節から動かすように、やや大股で歩く
・肘は90度に曲げ、前後に大きく振って歩く

適度な全身運動はゆがみを整えるだけではなく、ストレスの発散も期待できます。

●姿勢改善

普段よりゴールデンライン（ 外くるぶし〜膝〜股関節〜肩〜耳の穴）を意識した姿勢をとりましょう。
とくに肩よりも耳の穴が前に出ないよう、背筋を伸ばした姿勢を意識してください。

・イスや机の高さの調整

次のように机やイスの高さ、キーボードの位置などを調整すると、デスクワーク中も背中を伸ばした姿勢を維持しやすくなります。

・肘は90度でキーボード操作ができるようにする
・キーボードは肘を90度にしたとき操作ができる高さに設置する
・目線を水平より20度ほど下げた角度にスクリーンを設置する

●クセなどで偏った身体の使い方を改善

次に挙げるようなクセがある場合は、意識して修正するようにしましょう。

・足を組む
・片足に体重をかけて立つ
・カバンをいつも同じ側の肩にかける
・頬杖をつく
・身体を同じ方向にばかりひねる

●体幹のトレーニング

骨格を支える筋力が低下しないよう、体幹の筋力を鍛えましょう。

・腹筋

仰向けに寝て、両足を伸ばしたまま上げ下げする。
10回を3セットほど行うと効果的です。
ただ10回をこなすのではなく、十分に筋肉を刺激できるように自分にあった負荷で行いましょう。

・背筋

四つん這いになり、「左手と右足」「右手と左足」を交互に上げる。
10回3セットを目安に行うと良いでしょう。

当院では、身体のゆがみの原因がどこから来ているものかを明確にし、手技療法や姿勢骨格矯正、トレーニングコースなどのメニューを患者様に合わせてご提案させていただきます。
手技や矯正だけではなく、健康維持のためご自宅でもできるケア方法や運動・姿勢指導も行っていきます。

身体のゆがみは施術で一時的に整いますが、日々のクセが改善しないとまたゆがみを繰り返してしまいます。
そのため正しい姿勢が身につくように、最初は継続した施術を推奨しています。

患者様が健康に過ごせる身体作りをサポートさせていただきますので、身体のゆがみが気になる、不安な症状があるという方はお気軽に当院までご相談ください。